<![CDATA[原作は2013年『電撃文庫MAGAZINE』Vol.28から連載された入間人間(イルマヒトマ)によるライトノベル作品で、2016年には漫画にもなっており、2020年10月よりアニメも放送予定となっています。「安達」と「島村」という二人の少女を中心とした日常系作品だが、安達と島村が徐々に惹かれ合い、友達以上の関係に・・・といういわゆる百合作品となっています。出会ったばかりの安達は無口で人見知りでしたが、島村との出会いで徐々に考えや周囲との関係が変化していきます。今回は主人公の一人「安達」に焦点を当ててご紹介していきたいと思います。
目次
本名は安達 桜(あだち さくら)
本作品の主人公で、高校入学以降、ほとんど授業には参加せず学校のいたるところでサボッている不良少女です。見た目はとても美人ですが、人見知りで周囲に溶け込めず、周りからは冷たい印象を持たれています。
中華料理店でバイトをしていて、「若いから」という理由でチャイナドレスを着せられており、恥ずかしさから誰にもバイト先を明かしていません。
ちなみに、作品内で安達が下の名前で呼ばれるのは両親からのみとなっています。
安達と島村の出会い
二学期が始まりいつものように授業をサボっていた安達。そこにひょっこりと島村が現れます。二人は同じクラスだったのですが、入学以降ほとんど授業に参加していない安達は当然そんなこと知る由もありません。
島村は安達のことを名前だけは知っていたようで、話しかけます。「ここの常連なの?」と聞かれた安達は「今日はたまたま・・・」と返します。この時の安達は島村に興味はこれっぽっちもなく、また、クラスメートに授業をサボっている場所がバレて恥ずかしさがあったのかそっけない返事をして会話は終わります。
なんとなく一緒にいる安達と島村
お互い深くは干渉せず、程よい距離感を保った二人の関係は安達にとっても島村にとっても心地よいもので、徐々に二人の距離は縮まっていきます。
待ち合わせすることもなく、授業をサボりなんとなくいる気がして行ってみるとそこにいる。二人はどこか似たようなところ感じたのでしょう。
実際、こういった関係というのは、現代社会ではあまり見られない関係で少し羨ましい気もしますね。
安達がくれた地図
「授業を一緒に受けるのと一緒に帰るのどっちがいい?」と聞かれた安達はどこかで時間を潰し、島村と一緒に帰ることにします。まだ教室でみんなと一緒にいるのは嫌だが、島村には心を許している感じですね。
二人の家は方向が全く違う為、安達は家に着いた際に、家に帰るための地図を島村に書いてあげます。島村はこれがあれば家に来れると満足していますが・・・どう考えても簡易すぎるでしょ(笑)意外とガサツな安達さんでした。
度々みせる島村への優しさ
島村が雨に濡れていないか確認したり、部屋の外からタオルを投げてくれたりと、優しい対応の安達。
こういう細かな気遣いが出来る安達さん最高です!
知らず知らずのうちに嫉妬する安達
島村と一緒に過ごす時間が多くなった安達でしたが、島村には「日野」と「永藤」という友達がいました。安達と島村が二人のオアシスである体育館2階で卓球をしていたところに日野と永藤が現れます。
島村しか友達がいない安達にとってはとても気まずい状況でしょう。4人は一見会話が弾んでいるように見えますが、日野と永藤は安達には話しかけておらず、安達も当然距離を取っていました。
突然自分の友達を奪われたかのような感覚になった安達は、自分が島村を必要としていることに気付き始めているようです。
島村に会う理由が欲しい安達
安達はパンとミネラルウォーターを買っていて、昼休みに島村に渡そうと思っていましたが、日野と永藤の登場によって渡しそびれていました。放課後、下校中の島村を追いかけ買っていたものを渡します。
全て購買で買えるものと気付いた島村は、「お昼を次は私が買いに行く」と言っていた安達の言葉を思い出します。
甘えん坊の安達
いつものように体育館2階でくつろいでいた二人。安達は突然、膝枕をしていいかを島村に尋ねます。バイトが忙しく疲れていたのか休憩ということなのでしょうが、完全に彼氏彼女のような関係になってますね。
島村が意外とすんなり受け入れた為、安達は島村の方に顔を向け直します。こっちの方が島村の匂いがするからとのことで、少しでも島村を近くに感じたい甘えん坊な一面を見せる安達なのでした。
遂に授業に出ることに
自称未来人の知我麻社に「まずはそう思うことが大事なのです」と言われた島村は、口に出して言ってみないと始まらないと考え、安達を授業に誘います。
突然のことで戸惑う安達ですが、「一緒に二年生に進級した方が楽しいから」と島村に言われ、案外素直に受け入れます。この先も島村と一緒にいたいという思いが安達に新たな一歩を踏み出させました。
ちなみにこの時、安達は自転車を修理に出していて、歩いて授業に参加しています。島村に会う為なら全然苦ではなかったのでしょう。
秘密のバイトはチャイナドレスで
島村が何のバイトをしているのか尋ねても絶対に教えてくれない安達。実はこのチャイナドレスを見られるのが恥ずかしいからなのです。
自分だけチャイナドレスなのは確かに恥ずかしいかもしれないですね。しかし、ずっと隠していたこのチャイナドレス姿をまさかの島村に目撃されてしまいます。しかも家族全員に・・・。
島村が自分のバイト姿を見てどう思っているのか気が気でない安達でしたが、「可愛かったよ」言われ、安堵すると同時に恥ずかしくなり「しまむらもかわいいけど」と謎の返しをする安達なのでした。
試行錯誤の結果・・・やっぱりチャイナドレス
クリスマスに島村と出かけることになった安達。新しい服を買ったりと色々試しては見たものの納得いかず、一度可愛いと褒めてもらったチャイナドレスを着ていくことにします。
変な店の客引きに思われそうと島村に言われていますが、街中でチャイナドレス姿の女性がいたら間違いなくコスプレイヤーか変な店の客引きだと思います。
服のセンスというか、一般的な常識というか・・・そういった所が抜けているちょっぴり天然なところも安達の魅力なのでしょう。
安達の大人げない一面
島村と二人で出かける約束をしてウキウキの安達でしたが、偶然ヤシロと出会いなぜか三人でお出かけすることに・・・。
ファミレスで島村の横にヤシロが座ると、島村を奥に詰めさせ自分も横に座り、テーブル席で横に3人という謎のフォーメーションに。ヤシロが島村にちょっかいを出すと、安達もちょっかいを出す。
しまいにはヤシロとボーリング対決をするというなんとも大人げない安達。かなり独占欲が強いみたいですね。
自分の本当の気持ちに気付く安達
安達、島村、日野、永藤の4人でカラオケに行った帰り、島村への色々な想いが頭を駆け巡り、気付けば「頭を撫でてみてくれない?」と言っていた安達。
突拍子もない発言だが、「とん」と優しく頭を撫でてくれた島村を前にして、安達は自分が島村の特別でありたいということに気付きます。
自分は変なのか?と思っていた安達でしたが、島村の特別になれるなら変でも構わないと自分に正直に生きることを決めたシーンです。
なぜ安達は塞ぎ込んでしまったのか・・・安達の過去
幼少期に動物園に連れて行ってもらった安達は、何を見ても反応が薄く、その反応を見た両親はすぐに帰ろうとしました。
帰り際に売店に売ってあったぬいぐるみが気に入った安達でしたが、自分のせいで早く帰ろうとする両親を見て、買ってほしいと言えないまま帰ることになります。その経験から、どんな希望が見えても引っ込むようになり、周りへの関心がなくなり、塞ぎ込むことになったのです。
しかし、島村との出会いがその安達の塞ぎ切った心を解き放ったのでした。
島村と会っていた安達ママ
母親に連れられてスポーツジムに来た島村は安達のお母さんと出会っていました。
島村とのサウナ勝負に負けた安達のお母さんは、良い母親面をするという約束を守り、安達と一緒にご飯を食べていました。
見た目も美人で似ていますが、知らない人との約束もしっかり守るという律義なところも似ていますね。
島村以外とも少しづつ・・・
島村のクリスマスプレゼントに悩んでいた安達は、島村との付き合いが長い日野に相談することにします。気に入っていたお茶があったかもとの情報を元に、安達と日野は一緒にお茶を買いに行くことに。
付き合ってくれたお礼に日野にお茶をおごるという安達に日野はニコッとしながらこの一言をいうのでした。島村に心を開いた安達は、少しづつ他の人ともコミュニケーションを取るようになっているのがわかりますね。
ハードルが一つ増えたけど、次も繋いで良い
クリスマスに一緒に過ごす安達と島村。半ば強引に島村の手を握った安達は島村に軽く怒られます。それでも手を繋ぎたい安達に対し、「まぁいいか」と優しく手を繋ぐ島村。
次からは事前に聞くようにと念を押される安達は、「わかった、ちゃんと聞く」と。まるで従順なペットのようになってますけど(笑)
手を繋いでいいか聞くというハードルが増えたけど、次も繋いで良いということに喜ぶ安達でした。
これからも一緒にいるために
安達は体育館の2階で島村と二人で過ごす時間が大好きでした。「二年生の春が来たらまた二人で体育館の2階にいくのかな?」と聞かれた安達は、二人でまた体育館で過ごしたいというのが本音ですが、いつまでもサボっていられないし、島村と一緒に進級や卒業したい。そして何より島村がそれを望んでいることを理解し、ちゃんと授業を受け、放課後に一緒に遊ぶと伝えます。以前の人見知りで授業をサボっていた安達からは想像できない発言ですね。
島村との出会いが安達を大きく成長させたと思います。しかし、この後クラス替えという危機が安達を脅かすことになるのでした。
こんな人込みで?!とっても大胆な安達
電光掲示板にメッセージが出せるキャンペーンに当選した島村は、メッセージが出る日に安達を電光掲示板まで連れていきます。
「これからも仲良くしていこうね! 島村抱月」というメッセージを送るとき、安達のことがパッと浮かんだという島村の言葉を聞いて、安達は感極まり人目を気にせず島村に抱き着いてしまいます。
島村の特別になりたい安達からしたら最高の言葉ですね。しかし、この後も突然抱き着いたことを注意されています。しかも抱き着きたい理由があったかいからだと・・・。もっといろいろ言いようがあったのでは(笑)
「あったまろう!しまむら」、「んー・・・まぁいっか、よし来い!」このやりとりは、安達と島村が今までも、そしてこれからも仲良しでありたいと思っていることがわかる素敵なシーンとなっています。
神に祈った安達の命運は・・・
授業にもちゃんと参加するようになり、無事2年生に進級した安達でしたが、島村と一緒のクラスになれるのかという不安で頭はいっぱいでした。
島村はそこまで安達のことを必要とはしていないし、会いに行けば拒まないものの、積極的に島村から会いに来るとは思えないと安達は考えています。
もし別々のクラスになれば今以上に一方的な関係になってしまうかもしれない。神に祈りながら見たクラス表には安達と島村の名前が。
今日も、明日も、明後日も島村と一緒に過ごせる。今までで一番の喜びを見せる安達でした。
島村を想う、安達ってどんな人物?心境の変化も併せて紹介!!まとめ
いかがだったでしょうか?
最初は美人でクールという印象の安達ですが、島村と出会い、共に過ごしていく中で、彼女の心は大きく変化していきます。
ちょっとイキ過ぎなところもありますが、ピュアで律義で優しく、ちょっぴり間抜けな安達はとても魅力的なキャラクターだと思います。
『安達としまむら』は絵も綺麗で、内容もディープ過ぎる内容ではない為、百合作品はちょっとという人でも見やすい作品だと思います。
まだ見たことないという方は、是非一度見て見てみてくださいね。