『Fate/Zero』は本編である『Fate/stay night』から10年前に行われた第四次聖杯戦争の様子が描かれている作品で、8人のマスターと8体のサーヴァントが登場しています。その中から今回はキャスターのサーヴァントにとそのマスターついて、その正体や作中での描かれ方などを紹介していきましょう。
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
雨生龍之介のプロフィール
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人の「死」の意味を知るために殺人を繰り返すうちに快楽殺人者となり、連続殺人犯となった青年。殺人に対する「モチベーションの低下」に悩まされた所、実家で聖杯戦争について書かれた古書を発見し、冬木市でそれに基づいた「儀式殺人」を行った結果、偶然キャスターのサーヴァントを召喚。 聖杯も魔術も知らず、参加した自覚さえもないまま第四次聖杯戦争へと巻き込まれていく。
ご乱心モード
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明朗快活。他人の心情の機微をよく読みつつも細かい事に拘らず、常にポジティブで建設的。 失敗にめげる事もなく、持ち前の探求心と好奇心の旺盛さで人生を精一杯に楽しむ好青年。普段は話すことも億劫だと感じるほど無気力な人物だが、殺人の最中はひょうきん者となり、饒舌を奮う。夜の街では女の子にモテていたが、そうして彼に惹かれた女性は血みどろの肉塊にされている。
COOL
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
徳や倫理観が生まれながらに破綻しており、自分の所業の芸術性や哲学性が世間に認められないことを不思議に思っているフシがあり、そうした自身の感性にハマったものを「COOL」と表現している。 彼にとって殺人は芸術であるため、被害者の金品には全く興味を示さない。これが警察の捜査を逃れる一因にもなっている。
キャスターとの最悪コンビ
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
キャスターを芸術殺人の師として心から尊敬し、「青髭の旦那」と呼んで慕っている。 召喚後は、一緒になって冬木市周辺の児童を誘拐して回り、数多くの犠牲者を出した。 そして、彼が図らずも提示した考えに賛同して未遠川で暴れまわるキャスターを一般人に紛れて見届けていた
雨生龍之介の能力
前述したように正規の魔術師ではないため、魔術的な能力は持っていないが、彼の血に流れる魔術回路は生きており、また彼の家の先祖が陰陽師の真似事をしていた為、魔術に関する資料が実家の土蔵に残されていた。 旦那の現界の維持に関しても、犯行のついでで魂喰いをやっていたのと『螺湮城教本』のおかげで困らずに済んだ。
才能の塊?
天才的な証拠隠滅・捜査撹乱の技術を持っており、過去30人以上もの人間を場当たり的に殺してきたにもかかわらず、この特技のおかげで一度も彼に捜査の手が及んでいない。 今回もその隠蔽技術を存分に振るっており、発見できたのは彼が配慮していない魔術的な側面から辿ったウェイバーと気配遮断スキルを利用して彼らを尾行したアサシンだけである。 普通の人間限定とはいえ、不意打ち・暗殺・謀略に関してもあの虚淵氏をして絶賛せしめたことからも、殺人鬼としての技量と才能は推して知るべし。
英霊キャスターの正体とは?
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
雨生龍之介が遊び混じりで行った儀式により、はからずも呼び寄せてしまった英霊。 触媒がなかった為、召喚者と似た性格を持つ快楽殺人鬼が呼び出された。 龍之介同様に正式な魔術師ではない上、儀式も適当だったのに現れたのは、単に七人目(キャスター)を呼ぶ魔術師がいなかった為。
悪霊としての召喚
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触媒を用いない召喚であったため、龍之介の性質や嗜好に似た悪霊として引きつけられた。 ジル・ド・レェ自身は生前、英霊と呼ばれるにふさわしい活躍をした騎士ではあるものの、今回呼ばれたのはジャンヌ・ダルクが処刑された後に乱心し、黒魔術に堕ち多くの子供を集めては殺していた晩年の彼である。
求める美学
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
殺人に対し異常な美学や行動様式を持ち合わせており、彼と共に多くの子供たちを虐殺。その贄を材料にして吐き気を催すような工芸品を創作している。 マスターである龍之介と同じく正式な魔術師ではないため、魔術師の鉄則である「魔術の秘匿」(一般人に魔術が存在する事を隠す義務)には非常に疎く、自分たちの存在を一般に隠そうともせずに魔術を使い、セイバーをジャンヌ・ダルクと思い込んで以降は「願いは既に成就した」と聖杯戦争には見向きもせずに無差別に児童の誘拐・殺人などの凶行を繰り返す。
セイバーへの異様な執着心
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セイバーを生前共に戦い、崇拝していたジャンヌ・ダルクだと思い込んでいて、彼女を神から解放しようとしている。 セイバーが関与すると見境が無くなる傾向にあり、不用意に彼女との接触を試みた際に言峰綺礼のサーヴァントであるアサシンに捕捉・尾行され拠点を暴かれた。挙句、それによって冬木市のセカンドオーナーである遠坂時臣と聖杯戦争の監督役である言峰璃正に自身らの素性を知られ危険視されてしまい、各マスターに龍之介共々討伐の対象とさせられた。
青髭という呼び名
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
また、「青髭」の呼び名から真名まで見破られてしまう。 さらに、排水に魔術の痕跡を残していた事が仇となり、拠点としていた工房をウェイバーに発見され、さらに彼のサーヴァントであるライダーによって龍之介と作成した“アート”諸共に破壊されてしまった。
奈須きのこによるキャスターの解説
作中では狂気に支配された殺人鬼として描かれるキャスターであるが、奈須きのこは彼について、「その行動はセイバーへのストーカー行為そのものであるとしつつも、誰でも史実のジャンヌ・ダルクの筆舌に尽くしがたい最期を、自分の元交際相手などに置き換えて想像すれば、キャスターの言動も切ないものに見えてくるのではないか」という趣旨の私見を述べている。
信仰心
結果として言えば彼は誰よりも信仰心が篤かった。 神の声を聞いたはずの少女を魔女として処刑する事など彼にとってはあり得なかった。 そして、神の不在を示すために凶行を行った。 誰よりも神を信じたが故に裏切られた時の失望が彼を怪物にしたのである。
キャスターとしの能力
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
騎士・魔術師としての能力はサーヴァントとしては水準以下だが、強力な魔道書である宝具「螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)」による補佐を得て召喚術を行使する。人物像の項目通り魔術に関する常識には疎いが、戦場での状況判断、工房の立地選択などの戦略においては、かつて元帥を務めただけあり目を見張るものがある。
戦闘スタイル
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戦闘スタイルは、ほぼ無限に召喚が可能なヒトデに似た海魔による物量作戦。シンプルな戦法ながら、対人宝具しか持たない相手への効果は絶大で、対城宝具を封じられていたセイバーは劣勢に追い込まれ、ランサーの加勢後も途中までは有利に戦いを進めていた。
クトゥルーの神を模した巨大な怪物
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
その一方で対軍宝具に対しては通常サイズの海魔ではまったく歯が立たず、ライダーには工房の守りとして大量に召喚してあった海魔を一方的に蹂躙されている。終盤に制御を度外視して召喚した大海魔は、クトゥルーの神を模した百メートル以上ある巨大な怪物で、彼自身と融合している。その巨体に加え、戦闘機を捕獲するほどの俊敏な触手と体の半分を吹き飛ばされても即座に復元できる再生能力を誇り、ライダーの「王の軍勢」すら圧倒した。 また、ランクは低いものの「芸術審美」のスキルを持ち、芸能面における逸話を持つ宝具を目にすれば低確率で真名を看破できる。
雨生龍之介とキャスターの哀れな最後
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
キャスターが海魔を召喚しているのを野次馬に紛れて見に行った際、 その挙動から龍之介を『キャスターのマスター』と断定した切嗣に腹部と頭部を狙撃され、死亡。 だが死の瞬間も彼は探し求めていた「死」の実感…自分の血と臓物の色を確認できたことに感激し、笑顔のまま死亡した。
最後に見た景色
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
大海魔を倒す為に必滅の黄薔薇を破棄したランサーのお蔭で使えるようになったセイバーの約束された勝利の剣の一撃で大海魔ごと完全に消滅させられた。 しかし、最期の瞬間には自身の栄誉はこの光に負けないぐらい輝きを持ったモノだった事を思い出し、自身を取り戻す事が出来た。アニメでは、最期の瞬間にジャンヌが眩しい光を背に、笑顔でジルに手を差し伸べる場面が挿入された。 おそらくはまだ狂気に堕ちていなかったジルが『ジャンヌと共に歓喜の祝福を得た』シーンなのだろう。
まとめ
出典: Fate Zero ©Nitroplus TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
聖杯戦争を一時中断するほどの悪事を働いた二人。散々、聖杯戦争をかき乱した結果、哀れな最後を迎えたのは何かの因果だと感じます。二人のご乱心を見たい方はぜひアニメ等でご視聴下さい!