これまで数多くのガンダムシリーズが制作されてきました。TVシリーズや劇場版、OVAなど映像化されているものから、コミックや小説などの作品も含めると本当に多くの作品があります。そしてどの作品も主人公と主人公の乗るモビルスーツがその作品の魅力になっているのは間違いないと思います。今回は第1クールが終了した「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の主人公スレッタ・マーキュリーについて考察し、第2クールへ向けて気持ちを高めて頂けたらと思います。
「水星の魔女」スレッタ・マーキュリー
第1クールの舞台となるアスティカシア高等専門学園にスレッタ・マーキュリーが水星フロントから編入してくるところから物語は始まります。ガンダム作品のTVシリーズでは初の女性主人公のスレッタ・マーキュリーとはどんな人物なのか、改めて考察していきたいと思います。
スレッタ・マーキュリーの性格は?
水星で育ったためかコミュニケーションが上手くとれず、内向的な性格もあり始めての人と喋る時などは慌てて会話がどもってしまいます。ただ自分が納得いかない事に対しては一歩も引かないところがあり、ミオリネに対するグエルの態度が酷くビビりながらも謝罪を要求し最終的には決闘する事になってしまいます。マザコン気味のところがあり、母親に言われた事を忠実に守るところがみられます。
愛機ガンダム・エアリアル
スレッタと共に水星から一緒に来たのがガンダム・エアリアルです。スレッタはエアリアルの事を「家族」と呼び、対話をしています。ガンビットの事を「みんな」とも呼びエアリアルと意志の疎通をしているようです。公式ホームページにオープニングテーマ「祝福」の原作小説が公開されていますが、水星でのエアリアルとスレッタの様子が書かれていますがエアリアルには自我がありスレッタの事を守っているように描写されています(まだ読んでない方は「水星の魔女 ゆりかごの星」で検索してみて下さい)。それが本当であればエアリアルは思考する事ができ感情を持っている事になります。そうであれば作中でスレッタの様子も納得できますね。第2クールでその謎は明らかになるのでしょうか。
スレッタ・マーキュリーはエリクト・サマヤ?
第1クールで皆さんが気になった事の1つがスレッタ・マーキュリーはエリクト・サマヤなのか!という事ではないでしょうか。「水星の魔女」の第1クールの前に放送された前日譚になる『PROLOGUE』で登場したエリクト・サマヤは4歳で「ガンダム・ルブリス」を起動させてガンビットを操り敵モビルスーツを撃破するというアムロもびっくりする様な事を成し遂げています。スレッタはエリクト・サマヤなのでしょうか。
同一人物ではない!!
『PROLOGUE』の時点でエリクト・サマヤは4歳でしたがその時は時系列でA.S.101でした。スレッタがアスティカシア高等専門学園へ編入してきたのは21年後のA.S.122です。スレッタは17歳ですのでこの時点でエリクト・サマヤではない事が分かります、ではスレッタ・マーキュリーは何者なのでしょうか。
母親エルノラ・サマヤの存在
第11話でプロスペラはデリングに自身の事をエルノラ・サマヤと言っています。エルノラ・サマヤはエリクト・サマヤの母親です。スレッタはプロスペラの事をお母さんと呼んでいます、スレッタはエリクト・サマヤの妹なのでしょうか?いえ、『PROLOGUE』の時の状況を考えるとその可能性は低いと思われます。そうするとスレッタ・マーキュリーとは何者なのでしょうか。そしてエリクト・サマヤはどうなったのか、エアリアルの自我となにか関係があるのか、全てはエルノラ・サマヤの計画の一端に秘密があると思うのです。
スレッタ・マーキュリーの今後は
今回の「水星の魔女」のキーワードは『呪い』と『呪縛』です。スレッタ・マーキュリー≠エリクト・サマヤの設定はすぐわかるようになっています。あえて制作側はスレッタは何者なのかを視聴者側に提示しキーワードを絡めて考察させているのではないかと感じます。現に「水星の魔女」を見た視聴者が色々な考察をしており、色々な意見が飛び交っているのを見るとそう思わずにはいられません。
物語当初のスレッタ
シーズン1当初のスレッタは水星で同世代の友達が少なかった為人と話すのが苦手で、吃る癖や挙動不審になりやすい女の子ですが、エアリアルに乗った途端にMSの性能も相まって学園一強い「ホルダー」の座を簡単に奪ってしまう程の操縦を持っています。そんなスレッタのひたむきに頑張る姿を見てスレッタにも少しずつ仲間ができてきます。
スレッタとミオリネ
ちょっとしたすれ違いでスレッタがミオリネに対して距離をとっていましたがお互いの気持ちを打ち明け、スレッタの胸に顔をうずめて抱き着くシーンはお互いの信頼が強固になったと感じたシーンでした。その時シャディク・ゼネリの策謀によりフォルドの夜明け団のテロ攻撃が始まったのです。
呪縛の言葉「逃げたら一つ、進めば二つ」
スレッタとミオリネは離れ離れになりスレッタは侵入してきたフォルドの夜明け団に囲まれてしまいます、そこにエルノラ・サマヤが現れスレッタを助けたのです。スレッタは人が死ぬところを見て動けなくなってしまいます。そんなスレッタにエルノラは「逃げたら一つ、進めば二つ」と言葉をかけ皆を助けられるのはエアリアルとあなただけ、「あなたは進める子」と言うのでした。怯えていたスレッタはその言葉で洗脳されたかのように立ち上がり「逃げたら一つ、進めば二つ」と呟き戦場へ向かったのです。
スレッタは変わってしまったのか・・・
エアリアルで出撃したスレッタはフォルドの夜明け団のガンダムと対峙します、増援部隊も到着しフォルドの夜明け団は退却しました。ミオリネは負傷した父親を運んでいるところをテロリストに襲われていました。そこにエアリアルの索敵能力でその場所を見つけたスレッタが助けに来たのです。テロリストを虫を潰すように殺しミオリネの前に立ったスレッタは「助けにきたよミオリネさん」と笑顔で血まみれの手を差し出します、そんなスレッタを見て「なんで笑ってるの、人殺し」と恐怖した表情で呟くミオリネでした。人が死ぬ事に怯えていたスレッタがエルノラの呪縛により大切な人を助ける為なら人を殺す事も平気な少女に変わってしまったのです。
主人公スレッタ・マーキュリーのまとめ
ようやくお互いの気持ちを打ち明け良い関係になったスレッタとミオリネでしたが最後にとんでもない展開がまっていました。血まみれの手を笑顔で差し出すスレッタと、そのスレッタを化け物を見るような眼でみつめるミオリネのシーンで終わるのは想像していませんでした。スレッタ・マーキュリーはエルノラ・サマヤの呪縛によって本当に変わってしまったのか、今後ミオリネとの関係はどうなっていくのか、第2クールも2人の関係から目が離せないです。最後まで読んで頂きありがとうございました。