2022年10月より第1クールが放送された「機動戦士ガンダム 水星の魔女」をガンダムファンはもちろん、初めてガンダムを見たという方も大勢いらっしゃると思います。その第2クールが2023年4月から放送される事になりました。第1クールでは今までのガンダムシリーズにはなかったアスティカシア高等専門学園というパイロットやメカニック、経営戦略を学ぶ特殊な学校が舞台で学園物に近い物語がメインでした。水星の魔女は原作がありませんので第2クールがどんな展開になっていくのか非常に楽しみです。今回は第2クールを見る前に第1クールの名シーンを振り返ってみたいと思います。
スレッタとエアリアル向かう道
まずは第1話からです。第1話は主人公スレッタ・マーキュリーがモビルスーツ産業の最大手の巨大複合企業ベネリットグループが運営するアスティカシア高等専門学園に水星から編入するところから始まります。編入する日に地球へ逃げようとしていたベネリットグループの総裁デリング・レンブランの一人娘ミオリネ・レンブランを漂流者と間違えて助けた事から物語がはじまります。
ホルダーの婚約者
学園では決闘というモビルスーツを使っての戦いがあり全てに優先される、そしてその最優秀者「ホルダー」へ自分の娘ミオリネを婚約者にするとデリング総裁が決めたルールが存在するのです。独裁者の父親とはいえ娘を賞品にするとは酷い父親です、おかげで娘は学園でトロフィー扱いされていました。
決闘!スレッタ vs グエル
現ホルダーはベネリットグループ御三家のジェターク社御曹司、グエル・ジェタークでした。典型的な自信家の御曹司という感じで登場したグエルですが、行動もそのままでホルダー=学園でナンバー1のパイロットという事でやりたい放題です。そんなグエルはミオリネに対してもお前も会社も俺のもの発言をするのです。それに対しスレッタはミオリネに謝るように要求し決闘をする事になってしまいます。
ガンダム・エアリアル
決闘当日ディランザの前に現れたのはエアリアルに乗ったミオリネでした、ミオリネは自分の喧嘩は自分がけりをつけると勝手にエアリアルで出撃したのです。経営戦略科のミオリネがモビルスーツを扱えるわけもなくグエルのディランザに成す術もありません。そこにスレッタが現れエアリアルに乗り込みます。エアリアルを持ち出された事に怒るスレッタに対し「たかがモビルスーツが何」とミオリネは言いますが、それに対し「一緒に育った私の家族」と言い返し続けてスレッタがミオリネに言った言葉が・・・
お母さんが言ってました、逃げたら一つ進めば二つ手に入るって。逃げたら負けないが手に入ります、でも進めば手に入ります、勝てなくても。経験値もプライドも・・・信頼だって!
その言葉通りにディランザにエアリアルとスレッタは立ち向かいます。襲い掛かるディランザに対しスレッタはガンビット「エスカッシャン」を放ったのです。ディランザは成すすべもなく切り刻まれてしまいます、ガンダム・エアリアルの姿に皆が目を見張った瞬間でした。
傲慢な父親デリング総裁に立ち向かうミオリネ
決闘に勝ったスレッタでしたがエアリアルが禁止された魔女の技術GUNDフォーマットを使ったガンダムを使ったと疑われてしまいます。スレッタは拘束されミオリネは父親によって退学させられる事になってしまいます。そしてエアリアルについて審問会が開かれる事になりました。
エアリアル廃棄ありきの審問会
審問会とは名ばかりで結局エアリアルをガンダムとして糾弾する為の会です。スレッタの母プロスペラがエアリアルはガンダムではないと証言しますが結局独裁者デリング総裁の一言でエアリアルは廃棄処分でスレッタは退学と一方的に決まります。そこにミオリネが現れ父親のデリング総裁に怒りをぶつけますがデリングはミオリネを排除しようとします。その時ミオリネが思い出した言葉が「進めば二つ・・・」でした、そして父親に決闘を申し込んだのですがデリングは相手にしません、そしてミオリネが言い放った言葉が・・・
あんたが決めたルールで戦ってやるって言ってるのよ、自分が決めた事くらい守りなさいよ、大人なんでしょ!
その時プロスペラに唆されていたグレンの父親ヴィム・ジェタークも口添をし、結果スレッタとグエルとの再決闘が決まったのです。審問会に乗り込み独裁者に言い放った「自分で決めたルールを後から勝手に変えるな!このダブスタクソ親父!」も相当な反響を呼びましたね。
いきなりの愛の告白!?
再戦が決ったスレッタとグエルですが、グエルの父親は面子にかけて勝たなくてはいけません。意志拡張AIを積んだダリルバルデを投入し、エアリアルが不利になるように排熱処理の水散布をさせるなど決闘に介入してきます。そんな中スレッタとグエルの決闘がはじまったのです。
ジェターク社の意地 vs エアリアル
最初こそ優位に戦っていたスレッタでしたが排熱処理の水散布により窮地に陥ります。一方グエルも意志拡張AIで自動行動をするダリルバルデを見て自分の意志が必要とされていない事でプライドはずたずたです。そんな中ミオリネは排熱処理をしていたグエルの仲間達を排除し水散布を停止します。スレッタとエアリアルは猛反撃に転じダリルバルデを追い詰めるのでした。グエルは意志拡張AIを破壊し自分の意志で戦う事を選びエアリアルに立ち向かいますが、一歩及ばず敗北してしまいました。負けて立ち尽くすグエルに対しスレッタは「あなたをみくびっていました、あなたはとっても強かったです」と言い手を差し伸べるのでした、その言葉を聞いたグエルはスレッタの手をとり跪きこう言ったのです・・・
スレッタ・マーキュリー、俺と結婚してくれ。
いきなりの求婚びっくりですね、それに対するスレッタの反応は「へっ・・・」でした。当然の反応だと思います。俺様キャラでミオリネにお前は俺のものだって言ってた人にいきなり求婚されても困ってしまいます。ただ本編ではこの辺りからグエルの本当のキャラクターが見えてくるようになってくるのでこの後の展開が楽しみです。
背負っているもの!
水星の魔女の世界観では宇宙産業の発展によりスペーシアン(宇宙移民者)がアーシンアン(地球居住者)から労働力と税金を搾取する社会構造が出来上がっており、その構造がアスティカシア高等専門学園にもそのまま反映されています。アーシアンのチュアチュリー・パンランチ(愛称はチュチュ)は学院では地球寮唯一のパイロット科の生徒で、自分を学園に送り出してくれた家族と仲間達の期待も背負って頑張っているのです。
スペーシアンの嫌がらせ
模擬地雷を避けて行う実習でチュチュはスペーシアンの嫌がらせを受けてしまいます。訓練用のMSのメインカメラに「遅効性遮蔽スプレー」を塗られており突然視界が奪われ訓練は不合格となってしまったのです。スレッタに至ってはサポートするスポッターとメカニックが必要な事も知らなかった為実習すら受けられずに不合格になってしまいました。
見えない地雷に挑むスレッタ
スレッタはミオリネの協力を得て再試験を受ける事になりましたが、順調に実技試験をしていたスレッタのMSのメインカメラが真っ暗になってしまったのです。前回チュチュに嫌がらせをしたスペーシアンが今度はスレッタを標的にしたのでした。視界を奪われながらもリトライを繰り返すスレッタでしたが遂に心が折れてしまいます、「もう帰りたいです」と言うスレッタにミオリネが「水星の皆が送り出してくれてお守り貰ったって、ここで諦めていいの!」と鼓舞しスレッタはリトライに向かったのです。
背負っている2人。
スレッタをスペーシアンと嫌っていたチュチュはそのやり取りを聞いてスレッタと自分を重ねていました、その眼に映ったのはスレッタを見て笑っている嫌がらせをしたスペーシアン達です。その笑っているスペーシアンを殴ってチュチュが言った言葉が・・・
誰の想いも背負ってない奴が、邪魔してんじゃねぇ!!
結局再試験は中止になり再度試験を受ける事となったスレッタとチュチュでしたが、二人の距離は縮まったのでした。その後スレッタは地球寮に世話になる事になったのです。
悲しいガンダムのパイロット
エラン・ケレスはガンダムを開発しているペイル社のパイロットですが実はGUNDフォーマットに耐える為の強化を受けた、いわゆる強化人間(強化人士)です。その強化の際自分の全ての記憶を失い実験体として酷使されておりガンダムを「自分にとっての呪い」と嫌悪しています。ペイル社にエアリアルを調べる様命じられ、同じガンダムに乗る強化人間だとスレッタの事を思って接触しスレッタの心を掴みました。
エアリアルに乗った強化人士
スレッタとデートの約束をしエアリアルに乗る事に成功したエランでしたが、エアリアルからGUNDフォーマットの不快な感覚が来ない事からスレッタは強化人士の自分とは違う事を突き付けられ嫉妬し拒絶してしまいます。そしてスレッタに決闘を申し込んだのです。同じガンダムに乗っているのに全く違う境遇のスレッタに裏切られたと思ったのかもしれません。
ガンダム vs ガンダム
エランの乗るファラクトとエアリアルのガンダム対決が開始します、機動力ではエアリアルより上のファラクトが襲い掛かります。ガンビット「コラキ」でエアリアルを追い詰めるファラクトに対し「エスカッシャン」で対抗するエアリアル、一進一退の攻防の中「コラキ」がエアリアルと捉えました。勝利を確信したエランでしたがエアリアルが赤く光った時ファラクトが強制停止してしまいます。その時エランに光の中に誰かが見えたのです。その瞬間「エスカッシャン」でファラクトは切り刻まれてしまいました。
悲運の強化人士
大破したファラクトのコクピットの中でエランは一人の女性を思い出していました、誕生日を祝ってくれる母親の姿をです。
そうか、そうだったのか・・・
エランに過去の記憶が蘇ったのでした。これまでのガンダムシリーズで沢山の強化人間が登場しましたが、戦争ではなく学園の生徒でペイル社のガンダム開発の為の強化人士として儚い運命をおくったエラン、これまでのガンダムシリーズには居なかった強化人間ではないでしょうか。最後に誕生日を祝ってくれた家族を思い出して穏やかな笑顔を見せてくれたエランが印象的なシーンでした。
ミオリネのスレッタへの本当の思い
第10話でスレッタは自分の居場所が分からなくなってしまいます。ミオリネからも必要とされていないと勝手に感じてしまい、必死に皆の為に手伝おうとしますがやる事全て空回りしてしまい自分は誰からも必要とされていないと思いこんでしまったのです。そんな彼女が頼ったのは母のプロスペラでした。トイレに立てこもり電話で今の気持ちを打ち明けたのです。そんなスレッタにプロスペラは自分とエアリアルに会いに来るように伝えます。すぐに会いに行くと言ったその時トイレのドアを叩く人がいました。
スレッタとミオリネ
ドアを叩いたのはミオリネでした、今の会話を聞いていたのです。スレッタは思ず逃げてしまいますが、ミオリネもスレッタを追いかけやっとスレッタを捕まえました。卑屈になっているスレッタは失敗した事や卑屈になっている自分の想いをミオリネに話しはじめます。そんなスレッタにミオリネは「いつものやつはどうしたのよ、進めば2つなんでしょ!」と言うのでした。
ミオリネの本当の思いとは・・・
その言葉に対しスレッタは出来ないと答えます。そして「進むのいつも怖くて、だからいつも頑張って唱えているのに。ミオリネさんみたいな人には分からないです」と言いました。その言葉を聞いてミオリネは「勝手に私の事を分かんないでよ」と自分の想いをスレッタにぶつけたのです。今まで父親に全てを決められ地球に逃げたかった事、スレッタが花婿になった事、馬鹿みたいに「進めば2つ」と言う事、会社を作るはめになった事、父親にチクチク言われながらも頭を下げて会社をやっている事。そして本当の想いをスレッタにぶつけたのです。
あんたが一番分かってない、良かったって言ってんの!私が逃げなくてよくなったのはあんたのおかげなの。
だから、私から逃げないでよ。言いたい事あったら言ってよ、いつもみたいに鬱陶しく進んできてよ。
任せて下さいって私に言ってよ。
今まで言えなかったスレッタへの思いを初めて吐露したのです。スレッタに抱き着き胸に顔を埋めるミオリネは今まで見せた事のない素直な一面が見れたシーンでした。
第1クールの名シーンまとめ
第1クールのまとめですが前半までのシーンが多くなってしまいました。ガンダムシリーズで初めての学園が舞台で物語が進行し、いつものガンダムとはちょっと違う展開で印象が強くなったのかと思います。逆に後半はだんだんいつものガンダムの世界になっていき、強烈なシーンはありますが名シーンとしてご紹介は出来なかったかもしれません。最後まで読んで頂きありがとうございました。