『Fate/stay night』には8体のサーヴァントが登場しますが、その中から今回は魔術師のサーヴァントであるキャスターに焦点を当ててみましょう。キャスターの活躍が色濃く描いているのが凛ルートと呼ばれている『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』となっており、そこからキャスターの過去など様々な情報を知ることができます。他のルートでは詳細に語られていないキャスターについて、真名やキャラクター像を紹介していきますので、最後までチェックしてみてください。
魔術師のサーヴァントとして登場するキャスター
『Fate/stay night』に登場するサーヴァントのキャスターは、柳桐寺に住む葛木宗一郎と協力して聖杯戦争の戦いに参加しています。見た目はローブに身を包んだ女性の英霊となっており、魔法こそは修得していませんが、魔法に近いレベルの超高等魔術を平然と扱える力を持っていて、対人間戦では圧倒するほどの戦果を上げることができるサーヴァントです。そんな『Fate/stay night』のキャスターについて、まずは簡単に概要を紹介していきますのでチェックしてみてください。
葛木宗一郎に救われて消滅を回避する
『Fate/stay night』に登場するキャスターは、最初から葛木宗一郎とマスターの契約を交わしていたわけではなく、本来のマスターは別にいました。しかし召喚したマスターとは合わないと自身で判断したことにより、下らない命令で令呪を無駄に消費させたうえで殺害することになります。その後、キャスターはランサーにも襲撃されることになりますが、辛くも大聖杯が眠る地であり霊脈も優れている柳桐寺の近くまで逃げ延びることに成功。ところがマスターから魔力供給を受けられなくなったキャスターは消滅の危機に瀕しており、その際に葛木宗一郎によって偶然救われることとなります。それからのキャスターは、柳桐寺を自身の神殿として、町中の人から生命力を吸い上げることによって自身の魔力にして力を蓄えていくのでした。
マスターとサーヴァントの関係を超えている？
キャスターはランサーの襲撃にも遭ったことで消滅の危機に瀕していたところ、運よく葛木宗一郎とであったことにより、新しいマスターとの契約を交わすことになります。
召喚したマスターは自身の意志によって殺害しているキャスターですが、葛木宗一郎に対しては危機から救ってくれた恩義を感じつつも、彼の献身的な姿勢に惚れこむのでした。キャスターは生前に「魔女」として祭り上げられた過去を持っており、その事実があったとしても葛木宗一郎は一人の女性やパートナーとして見ていることから、真摯に身を案じてくれていることに感化されたのかもしれません。
キャスターの真名は裏切りの魔女メディア
『Fate/stay night』に登場するキャスターは、作中で魔術師ではない葛木宗一郎とマスター契約を結んでおり、自身の扱う魔術によって魔力を補給しています。
真名はギリシア神話に登場する裏切りの魔女メディアとなっており、神話の時代から魔女として扱われていることから、その腕前は現代も魔法使いを凌駕するだけでなく、世界でも有数の部類に数えられるでしょう。キャスターは本編においてもアーチャーから魔女と呼ばれていますが、実際に生前は魔女と呼ばれる原因になった魔術を使用しておらずまた禁を破ってはいません。そのため、「魔女」に仕立て上げた者たちへの復讐を誓って英霊となりますが、実際にはその者たちに魔術を使用しても無意味と理解していることから、事故の欲望や返ってくる災いなどで苦しむ些細な呪い程度を扱っています。
攻撃面では全サーヴァント中で最弱？
魔術師のサーヴァントであるキャスターは魔法や魔術で聖杯戦争を戦っていきますが、他のサーヴァントが対魔力を備えていることから、実際には戦闘で勝ち目はありません。
しかし策略や知略に長けている部分があり、戦闘前後に様々な策略を巡らせて戦いを優位に進めていく戦闘スタイルとなっています。また、対人戦においても魔術師として遥かに格上の存在であることから、マスターと一騎打ちの状況になればキャスターの方が圧倒的に優位になることは確実。そのため、『Fate/stay night』ではキャスターVSマスター、葛木宗一郎VSサーヴァントという異様な組み合わせが実現しており、加えて策略によって戦いに勝利している場面も描かれています。
あらゆる魔術を初期化する「破戒すべき全ての符」
『Fate/stay night』に登場するキャスターの所有している宝具は、あらゆる魔術による生成物を初期化することが可能な対魔術宝具「破戒すべき全ての符（ルールブレイカー）」となっています。様々な使用用途に応用することができ、『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』では衛宮士郎とセイバーの契約を無効化しており、アーチャーをも支配下に置いていました。また、令呪による契約の主導権自体も奪い取ることが可能となっており、聖杯戦争の戦いに存在しているルール下では一撃必殺の武器となりうる宝具と言えるでしょう。
別のマスターから権利を奪ってアサシンを召喚
キャスターが所有している宝具「破戒すべき全ての符」の力を駆使して、他のマスターからサーヴァントを奪うことができ、作中ではセイバーとアーチャーを支配下に置きました。さらに自身の神殿となる柳桐寺には、さらに他のマスターから奪ったアサシンを配置しており、キャスター自身がアサシンのマスターとなってコントロールしています。
アサシンはキャスターの命令に絶対服従することとなり、さらには結界が張られている柳桐寺の外へと出ることもできませんが、圧倒的な力を見せつけてセイバーと対峙しています。このように、キャスターがその気になれば全ての召喚されたサーヴァントをコントロールすることができ、聖杯戦争で勝利を収めることも十分に可能だったでしょう。
各ルートにおけるキャスターの立ち位置は？
『Fate/stay night』のキャスターは柳桐寺に拠点を置いて、町中の人から生命力を吸い上げて魔力を蓄えており、サーヴァント戦では手こずるものの、マスターに対しては圧倒的に優位な状況から攻撃することができます。そんなキャスターは、『Fate/stay night』の各物語においてどのような立ち位置にいるのか、またどのような行動や最期を迎えたのでしょうか。
セイバールート
セイバールートにおいてキャスターの登場シーンは少なくなっており、登場した時点ではすでに他のサーヴァントと交戦していた様子が窺えます。マスターを自分自身の手で殺害している点は変わりませんが、新たなマスターとなる葛木宗一郎は未登場となっています。また、キャスターはセイバーたちの前に表れるものの、そこにギルガメッシュが表れてキャスターを惨殺してしまうのでした。
凛ルート
キャスターのシーンが多く描かれている凛ルートでは、衛宮士郎からセイバーと奪い、さらにアーチャーを手駒にするべく勧誘するのでした。結果的に衛宮士郎と遠坂凛は一時的にサーヴァントを失うこととなりますが、2人のセイバー奪還作戦時において、キャスターはアーチャーの裏切りに遭ってしまいます。キャスターVS遠坂凛、葛木宗一郎VS衛宮士郎という構図は明らかにキャスター陣営に有利なものでしたが、最後には敗れてしまい葛木宗一郎とともに倒れることに。また、アーチャーを勧誘している際には同時に衛宮士郎も勧誘しており、キャスターはその時点から2人の間にある何かを感じ取っていたのかもしれません。
桜ルート
桜ルートでのキャスターも登場シーンが少なくなっており、葛木宗一郎が真アサシンに殺されてしまうと、彼を救うためにキャスターは「破戒すべき全ての符」を使おうとします。しかし同時にセイバーが現れ、彼女はキャスターが自身のマスターをてにかけたのだと勘違いしてしまい、その場でキャスターを切り伏せてしまうのでした。ところがその後、倒したはずのキャスターがまだ活動を続けているとの情報を耳にした衛宮士郎でしたが、そこには間桐臓硯によって傀儡とされてしまった事実がありました。
キャスター紹介！まとめ
『Fate/stay night』に登場するキャスターを紹介しましたが、本編では登場するシーンが凛ルート以外で少なく、サーヴァントの評価通り最後まで生き残ることは叶っていません。しかし『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』ではセイバーとアーチャーを支配下において、衛宮士郎たちを苦しめる展開まで進めていることから、策略を張り巡らされた展開では難敵であると言えるでしょう。戦闘においても独特の戦い方で、前衛をマスターである葛木宗一郎が担当していることから、ひと味違う聖杯戦争の戦いを楽しむことができます。
